20年ほど前の「立花っ子の素晴らしい姿」とは・・・
私は、教師生活31年を過ぎましたが、そのうち26年間は通勤で立花小学校前を通っていました。
そのころ立花小学校下の交差点は、横断歩道だけで信号がない状態でしたので、いつか事故に遭うのではないかと通るたびに心配になっていました。
何年か経ったある日、立花小学校の子どもたちにある行動の変化が表れました。その時を境に立花小学校下を通るドライバーの意識が変わり始めたのです。その行動とは・・・。
朝の通勤途中、立花小学校区の横断歩道を渡ろうとする子どもたちが、手を挙げて停車してくれるのを待っているのが見えました。前を走る何台かの車はそれに気付いていないのか通り過ぎましたが、気付いた私は横断歩道で停車しました。対向車もそれに気付いたのか停車すると、子どもたちは手を挙げて横断歩道を渡り始めました。
「しっかり手を挙げて、えらい、えらい。」
その姿を何気なく見ていると、渡り終わった子どもたちが突然振り返り、運転者である私たちの方を見て、「ありがとうございました。」と頭を下げたのです。その姿に私は思わずニッコリと笑顔がこぼれました。
「あー、停車してよかった。立花小学校の子どもたちのおかげで朝から清々しい気持ちになれた。よし、明日も立花小学校の子どもたちが横断歩道に立っていたら停車しよう。」
きっと私だけでなく対向車の運転者も同じ思いになったことでしょう。
それからは、毎朝のあわただしい通勤時間の中、立花小学校の子どもたちのこの姿を見るのが楽しみになりました。こんな気持ちにさせる立花小学校の子どもたちはすごいと思いました。
数年後、立花小学校区の横断歩道には子どもたちの安全を願う保護者や地域の方の思いが通じ信号機が設置されました。当然、赤信号で車は止まり、青信号の横断歩道を渡る子どもたちの安全性は格段に向上しました。しかしそこには、「手を挙げる姿」も「振り返って『ありがとうございました。』と礼をする姿」も見られなくなっていました。
さて、みなさんは何を感じられましたか。「交通安全:昔の立花小学校の子どもはすごかった。その3」に続く。(校長 安部)