私が赴任していた中学校の部活での話です。先生が「おはようございます。」と言っても挨拶もしない。大会に出場しても負けてばかり。しかし,あることを徹底して行うことで,地区大会や県大会で活躍するようになりました。
何をしたと思いますか?
それは,「靴を揃える」ことです。
「はきものをそろえると 心もそろう
心がそろうと はきものもそろう
ぬぐときに そろえておくと はくときに 心がみだれない
だれかが みだしておいたら だまってそろえて おいてあげよう
そうすればきっと 世界中の人の心も そろうでしょう」
これは,長野市の円福寺というお寺の和尚さんだった藤本幸邦(ふじもと・こうほう)さんがつくった詩です。
(北小学校の子供たちの靴箱の様子)
履物を揃えるということは,自分のやるべきことがきちんとできるということなのです。そうすると心が落ち着いてきます。そして,自分のもっている力がぐんと伸びます。
最近の脳科学の研究です。脳には「側坐核」というところがあり,この部分はなかなか活動しないそうです。ところが,履物を揃えるなどの小さなことを繰り返し行うことで「側坐核」を刺激し,やる気を起こす脳内物質を分泌させるのです。
北小学校の子供たちは,毎日自分や仲間のために靴をそろえることで,やる気スイッチを押し,勉強や運動に取り組んでいます。